デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)でバックオフィスのツールを入れる流れ

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監修
室長TAKA(公認会計士)
監修26.10.21TAKA

会計・税務に関する記述は、公認会計士が確認しています。個別の判断は、顧問税理士または所轄の税務署にご確認ください。

会計ソフトや勤怠管理などのツールを、補助金を使って入れたい会社の社長に向けた記事です。IT導入補助金から名前が変わった「デジタル化・AI導入補助金」の流れを、事務局と中小企業庁の資料でまとめました。内容は2026年10月21日時点のものです。

診断結果

対象:会計ソフトや勤怠管理などのツールを、補助金を使って入れたい会社

  • 迷ったら、入れたいツールを扱うIT導入支援事業者に相談する。申請はその事業者と一緒に行い、補助の対象は事務局に登録されたツールだけです。
  • 契約と支払いは、交付決定のあと。先に契約すると補助されません。補助金は、支払いと報告を終えたあとに受け取ります。
  • 補助されるクラウドの利用料は最大2年分です。効果報告が終わるまで使い続ける前提で選びます。途中で解約すると、返還を求められる場合があります。

名前が変わって、何が変わったか

2026年から、IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」になりました。より踏み込んだデジタル化とAIの活用が大切だと広く知らせるために、名前を変えたと事務局は説明しています。

名前のほかに、2025年からの主な変更は次の2つです。

  • 2回目以降の申請に、賃上げの要件:IT導入補助金2022〜2025の交付決定を受けた会社は、賃上げの3年計画が条件になりました。
  • AI機能のあるツールが分かる:事務局のITツール検索で、AI機能のあるツールを絞り込めます。

どのツールが対象になるか

対象は、事務局の審査を受けて登録されたツールだけです。ソフトの代金やクラウドの利用料に加えて、導入の設定や保守などの費用も対象になります。

  • 会計ソフト:「インボイス枠(インボイス対応類型)」の対象です。会計・受発注・決済の機能があるソフトが条件で、あわせて入れるPC・タブレットやレジも補助されます。
  • 勤怠管理・給与計算など:「通常枠」の対象です。業務の機能(業務プロセス)を1つ以上持つソフトが条件です。どの枠で申請できるかは、ツールごとにITツール検索で確かめます。
  • AIのツール:AI機能のある業務のソフトも、登録されていれば対象です。業務を限らない汎用のツールは、それだけでは申請できず、業務のソフトと一緒に申請します。

この診断室で比べている会計ソフト3社は、各プランの登録をITツール検索で確かめました。申請は、そのツールを登録したIT導入支援事業者を通して行います。

会計ソフト3社の料金と、補助金の対象
プラン料金
freee会計照合
ひとり法人年払いの月あたり(年35,760円)。月払いは月3,980円。メンバー1人。経理・経営者相当の追加は1人あたり月1,000円(年払い)、最大2人まで。経費精算と電話サポートは使えない2,980円/月(税抜)
スターター年払いの月あたり(年65,760円)。月払いは月7,280円。メンバー3人。追加は1人あたり月300円(年払い)。経費精算は申請・承認した人1人あたり月300円の従量課金5,480円/月(税抜)
スタンダード年払いの月あたり(年107,760円)。月払いは月11,980円。メンバー3人。追加は1人あたり月300円(年払い)。経費精算は1人あたり月300円の従量課金8,980円/月(税抜)
アドバンス年払いの月あたり。月払いは月51,980円。メンバー5人。追加は1人あたり月1,000円(年払い)。経費精算は1人あたり月650円の従量課金。ワークフロー機能つき39,780円/月(税抜)
追加:経理・経営者相当のメンバー(スターター・スタンダード)年払いの場合(月払いは400円)。含まれる3人を超えた分。請求書や経費精算だけを使う一般従業員相当のメンバーは0円300円/1ユーザー・月(税抜)
従量:経費精算(スターター・スタンダード)その月に経費や各種申請の申請・承認をした人1人あたり。メンバーの追加料金とは別300円/1ユーザー・月(税抜)
従量:経費精算(アドバンス)その月に経費や各種申請の申請・承認をした人1人あたり650円/1ユーザー・月(税抜)
無料の試用
30日間
インボイス制度
対応
電子帳簿保存法
対応
補助金の対象
対応
マネーフォワード クラウド会計照合
ひとり法人年払いの月あたり(年29,760円)。月払いは月3,980円。利用者1名だけの会社に限る。1会計年度の仕訳は500件まで。AI-OCRの入力は月30件まで2,480円/月(税抜)
スモールビジネス年払いの月あたり(年53,760円)。月払いは月5,980円。利用者3名まで。部門は2つまで。AI-OCRの入力は月60件まで4,480円/月(税抜)
ビジネス年払いの月あたり(年77,760円)。月払いは月7,980円。利用者3名を含み、4名以上は1名あたり月300円。部門は無制限。AI-OCRの入力は月101件以上から1件20円6,480円/月(税抜)
無料の試用
1か月(ビジネスプラン相当)
インボイス制度
対応
電子帳簿保存法
対応
補助金の対象
対応
弥生会計 Next照合
エントリー年契約の月あたり(年34,800円)。月契約は月3,480円。会計・請求は各3名まで含み、4名以上は1名あたり月300円。経費精算・部門管理・有人のチャットとメールのサポートは対象外2,900円/月(税抜)
ベーシック年契約の月あたり(年50,400円)。月契約は月5,040円。会計・請求・経費精算は各3名まで含み、追加は会計・請求が1名月300円、経費精算が1名月400円。有人のチャットとメール、導入・運用支援つき。電話サポートと仕訳相談は対象外4,200円/月(税抜)
ベーシックプラス年契約の月あたり(年84,000円)。月契約は月8,400円。経費精算は5名まで含む(6名以上は1名月400円)。電話サポート(画面共有を含む)と仕訳相談つき7,000円/月(税抜)
追加:会計・請求(4名以上)会計と請求それぞれにかかる。全プラン300円/1ユーザー・月(税抜)
追加:経費精算(4名以上)ベーシックの場合。ベーシックプラスは6名以上から。エントリーは経費精算を使えない400円/1ユーザー・月(税抜)
無料の試用
最大2か月(ベーシックプラス相当。決算書の作成・出力は不可)
インボイス制度
対応
電子帳簿保存法
対応
補助金の対象
対応

は、各社の公式の料金ページと照合した日です。料金はその日時点のもので、変わっている場合があります。申し込む前に公式サイトでご確認ください。「対応」は各社の公式サイトの記載によります。「補助金の対象」は、デジタル化・AI導入補助金の対象ツールとして公式サイトに記載があるかどうかです。「未確認」は、照合した時点で確かめられなかった項目です。

3社の機能の違いは、会計ソフト3社の比較にまとめています。

いくら補助されるか

会計ソフトの「インボイス枠」と、そのほかの業務のソフトの「通常枠」の補助率と補助額です。

インボイス枠(会計・受発注・決済のソフト)

  • 補助額のうち50万円以下の部分:3/4以内(小規模事業者は4/5以内)。会計・受発注・決済のうち、1つ以上の機能を持つソフトが対象です。
  • 50万円を超える部分:2/3以内で、補助額の上限は350万円。2つ以上の機能を持つソフトが対象です。
  • PC・タブレットなど:1/2以内で、上限は10万円。
  • レジ・券売機など:1/2以内で、上限は20万円。

通常枠(勤怠管理や給与計算などの業務のソフト)

  • 補助率:1/2以内。最低賃金に近い賃金の従業員が多いなどの条件を満たすと、2/3以内です。
  • 補助額:業務プロセスが1〜3つなら5万円以上150万円未満、4つ以上なら150万円以上450万円以下です。

小規模事業者は、常時使用する従業員が次の人数以下の会社です。商業・サービス業は5人(宿泊業・娯楽業は20人)、製造業などは20人です。役員は従業員に数えません。

例:会計ソフトを入れる場合(架空の例)

会計ソフトのクラウド利用料2年分と導入の設定で、税抜40万円かかる場合の例です。

会社の区分 補助される額 自社の負担
中小企業(3/4) 30万円 10万円
小規模事業者(4/5) 32万円 8万円

消費税は補助の対象になりません。また、代金はいったん全額を払い、補助金はあとから受け取ります。

申請から受け取りまでの流れ

申請するのは自社で、IT導入支援事業者が手伝います。

  1. 準備(自社):「GビズIDプライム」を取ります(発行までおおむね2週間)。あわせて、情報セキュリティの「SECURITY ACTION」の一つ星か二つ星を宣言します。
  2. ツールと事業者を選ぶ(自社):ITツール検索で、入れたいツールと、それを扱うIT導入支援事業者を探し、見積もりを取ります。
  3. 交付申請(自社とIT導入支援事業者):事業者から招待される「申請マイページ」で申請を作り、事務局に出します。
  4. 交付決定のあとに契約・導入・支払い(自社):支払いは、自社の口座からの銀行振込か、クレジットカードの1回払いです。
  5. 実績報告(自社とIT導入支援事業者):導入と支払いを報告すると、補助金の額が決まり、振り込まれます。
  6. 効果報告(自社):導入のあとも、ツールを使い続けていることなどを決められた年度に報告します(次の章)。

直近の締切は、インボイス枠と通常枠で2026年10月30日(6次)と12月1日(7次)です。インボイス枠の7次の交付決定は、2027年1月19日の予定です。

頼む相手と、気をつける勧誘

  • 手伝うのはIT導入支援事業者:申請の代行の費用は、補助の対象になりません。
  • GビズIDを人に渡さない:自社以外の人に申請の手続きをさせるのは、不正にあたります。
  • 「実質無料」「キャッシュバック」に注意:代金をあとで返金するなどの勧誘は、不正の可能性があると事務局が注意しています。

何年使い続ける必要があるか

効果報告は、導入のあとに加えて、1年度目と3年度目に行います(2年度目はありません)。補助されるクラウドの利用料は最大2年分ですが、報告は3年度目まで続きます。

たとえば、12月決算の会社が2026年10月に申請した場合です。3年度目の報告の対象は2029年の1年間で、報告の期間は2030年4月から2031年1月です。

効果報告が終わる前にツールを解約・利用停止すると、辞退の手続きが必要です。補助金の全部か一部の返還が必要になる場合があり、その場合は加算金もかかります。3年目以降は自社の費用で使い続ける前提で、ツールを選びます。

申請の前に確かめること

  • 過去に補助を受けたか:IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた会社は、賃上げの3年計画が条件です。1人当たりの給与の支給総額を年平均3.5%以上増やす計画を立て、従業員に表明します。
  • 計画を守れないときの返還:上の賃上げを達成できないと、補助金の全部の返還を求められる場合があります。付加価値額が増えず3年の過半数が営業赤字の場合や、天災などは例外です。
  • 最低賃金:事業場内の最低賃金が、地域別最低賃金以上であることが条件です。
  • ほかの補助金との重複:同じ費用で、国のほかの補助金を重ねて受け取ることはできません。
  • 会社名の公表:交付決定を受けると、会社名と所在地(市区町村まで)が事務局のサイトで公表されます。

社員の人数に合わせた全体の順番は、社員規模別のバックオフィスDXのロードマップにあります。全部をクラウドにした月額は、社員10人の会社の構成例と総額で計算しています。

出典と確認日

更新履歴

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